私は今、那覇の小さな住宅街にある平屋で暮らしています。
70代後半で、夫は数年前に亡くなりました。
子どもは一人いますが、今は県外に住んでおり、なかなか会う機会はありません。
私は年金をいただきながら、家の裏にある小さな畑で作った野菜を近所に売り、なんとか毎日をやりくりしています。
軽度の認知症兆候と私の心
物忘れがひどくなったり、昨日食べたものが思い出せなかったりすることが増えてきました。
病院で相談したところ、軽度の認知症の兆候が見られるとのこと。
だけど、私は頑張り屋と言われる性分で、畑の世話をしたり、近所のお茶会に顔を出したり、時には早朝ウォーキングをしたりして少しずつ前を向くようになりました。
那覇で出会う小さな奇跡
ある日、近所の商店街で声をかけてくれた男性がいました。
那覇に移住してきたばかりだという彼に、私が気まぐれにお店を案内したのが始まりです。
お互いに同年代ということもあり、自然と会話が弾みました。
ガラケーでも十分なやりとり
私がガラケーしか持っていないと話すと、彼は「僕もSNSはほとんど使いませんから大丈夫ですよ」と言ってくれました。
それがなんだか嬉しくて、古い携帯でもちゃんとやりとりできるっていいなと感じたのです。
彼はときどき私の畑を訪れ、野菜を買いに来てくれるようになりました。
心に芽生える穏やかなトキメキ
夫を失ってから、「もう恋なんて縁がない」と思っていた私ですが、彼と話していると穏やかなトキメキを感じます。
一緒に公民館で開かれる催しに出かけたり、商店街を歩いたりするだけでも、日常がぱっと明るくなるのです。
この年齢で、またこんな気持ちを味わえるとは思いもしませんでした。
私らしさを守りながら
子どもにはまだ話していませんが、きっと驚くだろうと思います。
でも、私は私の人生を最後まで楽しみたい。
認知症の進行を遅らせるためにも、毎日に小さな刺激や喜びを見つけ続けたいのです。
那覇がくれた小さな光
ゆるやかな海風に包まれながら、彼と一緒に過ごす時間は、これまで感じることのなかった安らぎをもたらしてくれます。
年金暮らしに畑での収入しかない私にとって、派手なデートはできません。
けれど、のんびりと那覇の街を歩き、素朴なお店でお茶をするだけでも十分幸せなのです。
「こんな人生もいいかもしれない」と思えるようになった自分に、驚きを感じています。
夫との思い出を大切にしながらも、私は今の喜びも大事にしたい。
人生に遅すぎることはありません。
この地で、私が再び見つけた小さな奇跡を、これからも大切に育んでいこうと思います。