私は50代後半になった今、札幌でフリーランスのライターとして生きています。
数年前に夫との長い結婚生活にピリオドを打ち、子どももいないので、一人暮らしを満喫している……そう思っていました。
しかし、実際には、長年のパートナーとの別れがもたらす寂しさや喪失感は想像以上で、独りになった夜には時折、心に穴が開いたような虚しさを感じることもありました。
札幌に住み始めた当初は、雪まつりや大通公園、そして美味しい海の幸を楽しめる居酒屋など、新鮮な魅力に心が踊りました。
地元のイベントや市民講座に積極的に参加し、人との繋がりも広げようと試みたのです。
50代後半とはいえ、私はまだまだ体力も気力も充実していて、休日には趣味を兼ねて山登りやランニングを楽しむこともあります。
札幌の街で再起を誓った日々
札幌に住み始めた当初は、雪まつりや大通公園、そして美味しい海の幸を楽しめる居酒屋など、新鮮な魅力に心が踊りました。
地元のイベントや市民講座に積極的に参加し、人との繋がりも広げようと試みたのです。
50代後半とはいえ、私はまだまだ体力も気力も充実していて、休日には趣味を兼ねて山登りやランニングを楽しむこともあります。
思いがけない再会とトキメキ
それは、市民ランニングクラブのイベントに参加したときのこと。
お互い走るスピードも似通っていたせいか、自然に隣り合って走るようになった男性と何気ない会話を始めました。
まさか同い年で、似たような働き方をしている人と、こんな偶然のタイミングで出会うなんて。
私の心は穏やかなのにどこか弾むような、久しぶりに感じる不思議なトキメキに包まれました。
一人よりも二人の楽しさ
彼とはランニングの後に、近くのカフェでおしゃべりをする関係が続きました。
お互いの仕事の話や札幌での暮らしの話、そしてこれまでの人生の紆余曲折まで、次第に深い部分にまで話が及ぶようになったのです。
ランニングだけでなく、普段から多趣味な私に彼も付き合ってくれるようになりました。
もちろん一人の時間も大切にしたいですが、好きなことを共有できる相手がいるというのは想像以上に楽しく、心強いものだと感じ始めています。
離婚経験がもたらす葛藤
長く連れ添った相手と離婚した過去は、どこかで私を臆病にしていました。
また同じ失敗を繰り返してしまうのではないか。
相手を信じられなくなってしまうのではないか。
そんなとき、彼は「焦らなくていいですよ。僕らはもう若くないし、ゆっくり進んでいこう」と優しく言ってくれます。
テクノロジーとSNSが繋ぐ絆
私もITリテラシーには自信がありますが、彼はフリーランスのプログラマーとあって、さらに詳しい知識を持っています。
私が仕事で必要なサイト構築の相談をすると、的確なアドバイスをくれるので本当に助かっています。
共通の知人との交流が広がったり、ちょっとした励ましの言葉を交わすだけでも、こんなに心が温かくなるんだなあと感じます。
50代後半でも遅くはない
離婚を経験して、人生をやり直そうと札幌にやって来た私は、正直言って最初は「もう恋はいいや」と思っていました。
しかし、こうして出会いが訪れ、少しずつ彼との未来を考えるようになった今では、「もう遅い」なんて思い込みだったのではないかと感じています。
お互いに無理なく寄り添える関係を築けるのは、この年齢だからこそかもしれません。
ふと街を歩けば、雪に覆われた大通公園や賑わうすすきののイルミネーションが、美しく光を放っています。
私は札幌の街に来て本当によかったと思います。
冷たく澄んだ空気の中で、確かに感じる新しい恋の温かさ。
これから先、何が待っているかはわかりません。
けれど、離婚という暗いトンネルを抜けた先に、こんな素敵な再スタートがあるなんて想像もしませんでした。
この年齢だからこそ出会えた相手と、そしてこの街での新たな人生を、大切に育んでいきたいと心から思っています。